法定養育費というのは、養育費の取り決めをしていないときでも、R8.4.1以降 離婚した場合に子供1人につき2万の請求ができるようになる新しい決まりのことです。
R8.4.1の民法等改正の施行により開始されます。
残念ながらR8.4.1より前の離婚では、法定養育費を請求できません。
養育費の取り決めをしておらずR8.4.1より前に離婚している場合は、公的機関に頼るなら家庭裁判所に養育費関係の調停や審判などの手続きを行うことになります。
法定養育費は暫定的な処置という位置づけで、改めて養育費を元夫婦で取り決めるまでのものとなっています。
法定養育費を請求できるのは、離婚のときから引き続き子の監護を主におこなっていたものとなっています。例えば平日は母、土日は父が子の監護をしていた場合は、一方が子の監護を「主として行う」ものと評価し得る場合には、評価し得る側が法定養育費を請求できるものと考えられます。
対して、一時期は母が子を監護していたが、ある時期以降は父が子の監護をする場合、法定養育費は認められません。法定養育費の請求権は、「離婚の時から引き続きその子の監護を主として行う者」が行使できる権利だからです。
監護とは
子の身の回りの世話を現実に行っているという事実的な概念的なもの
ちなみに父母が協議等により養育費の支払いをしない旨を合意した場合は、法定養育費は発生しないものと考えられています。
また法定養育費を含む養育費には、民法308条の2により一般先取特権が付与されることになったため、養育費支払う義務のある人の他の債務より優先してお金を回収可能になります。
ただし請求できる金額に上限はあって、法務省令1条において(未成熟の)子供1人につき、1か月8万までとなっています。
法定養育費が支払われてなくて、24万に積みあがっているとしましょう。子供が1人だけのときは、8万ずつ請求するなら3か月に分けてしか一般先取特権としての優先権はないということになります。
(子の監護費用の先取特権)
民法第308条の2 本文
子の監護の費用の先取特権は、次に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権の各期における定期金のうち子の監護に要する費用として相当な額(子の監護に要する標準的な費用その他の事情を勘案して当該定期金により扶養を受けるべき子の数に応じて法務省令で定めるところにより算定した額)について存在する。
子の監護費用の先取特権の「子」とは
未成年者に限定されず、(経済的に自立していない)大学生などの未成熟子も該当すると考えられています。
対して法定養育費の対象となる「子」は、民法766条の3第1項に記されている終期の1つとして、子が成年(18歳)に達した日、と記されています。
最後に、民法788条において、父が認知する場合について民法766条~766条の3を準用するとなっており、認知においても法定養育費が発生するされています。
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