R8.4.1より養育費が私的合意書で強制執行可能になります【改正家族法】

家族法の改正

執筆はR8.3.10ですが、このときは養育費の強制執行しようとすると、公正証書か調停調書、審判書のいずれかが必要になります。つまり私的合意書での強制執行はできないのですが、R84.1の家族法の改正により、私的合意書でも強制執行が可能となります。

法律用語を交えて言葉にすると、養育費について強制執行を行う場合、先取特権が付与された範囲について担保権実行手続きが可能となっています。
(一般先取特権の存在を称する文書)民事執行法193条1項等 参照

一般先取特権とは

債務者の全ての財産に対して、(差し押さえて)他の債務者に優先して弁済をうけることができる権利。例えば消費者金融と競合した場合は、養育費の方が優先して弁済をうけることができる。
ちなみに他の一般先取特権としては、雇用契約に基づく給与・退職金などがあげられる。

先取特権が付与された範囲とは、養育費をいつまで払うとかをしっかりと文章化したものを指しています。
とういわけで養育費の範囲等をしっかりと書いてないと、法的効力は及ばないので、用意した私的合意書で強制執行ができないという事態も考えられます。なので夫婦だけで取り決めようとする場合は、公証役場で離婚協議書を作るのが一番よいでしょう。公正証書というのは公文書であり、また公証役場の公証人というのは、ベテランの弁護士や裁判官だった人が就任していることが多く、そういった面でも法律上のことに関して問題ないと言えます。

行政書士も離婚協議書はつくることができますが、先取特権が付与された範囲というのを文章化できる人に頼まなければ、強制執行の段階が来た時にそれができないという事態も考えられます。
私は経験があるので、改正によって認められる離婚の私的合意書を作成することは可能ですが、公証役場以外で依頼する場合はよくよく考えてされてください。
また今後の裁判所での私的合意書の運用も見ていく必要があるので、今後の判例や裁判例にも着目していくとよいと思います。

(債権及びその他の財産権についての担保権の実行の要件等)
民事執行法 第193条 1項

第143条に規定する債権及び第167条第1項に規定する財産権(以下この項において「その他の財産権」という。)を目的とする担保権の実行は、担保権の存在を証する文書(権利の移転について登記等を要するその他の財産権を目的とする担保権で一般の先取特権以外のものについては、第181条第1項第1号から第3号まで、第2項又は第3項に規定する文書)が提出されたときに限り、開始する。担保権を有する者が目的物の売却、賃貸、滅失若しくは損傷又は目的物に対する物権の設定若しくは土地収用法(昭和26年法律第219号)による収用その他の行政処分により債務者が受けるべき金銭その他の物に対して民法その他の法律の規定によつてするその権利の行使についても、同様とする。

この記事は執筆当時の法律等に基づき作成されておりますが、完全性や正確性を保障するものではありません。記事の内容を参考にされる場合は、詳細な検討をお願いします。